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2006年5月14日 (日)

『博士の愛した数式』小川洋子(060514)

 この本が話題になったときから,ずっと“これは面白そうだ”と思っておりました。文庫になる前の初版が平成15年7月だそうですから,どうやら私は3年ぐらい記憶の片隅に留めていたようです。ツマがどういう気まぐれからか買ってきました(ツマは数学は嫌いなハズなのですが…)。このところ,『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(上・下)『ダ・ヴィンチ・コード』と読んできて,近頃のベストセラーをフォローしている気分。どれも売れるだけあって面白い。2004年読売文学賞,本屋大賞受賞作。

■『博士の愛した数式』(小川洋子/新潮文庫/本体:438円)

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 『ダ・ヴィンチ・コード』一気読みの勢いのまま,「寝たきりパワー」でこの本も一気読み。記憶が80分しか持たない老数学者と家政婦の母子の交流を描いた物語。上質の大人の小説という趣。「ルート」と呼ばれる子,「病」や「老い」に関する記述にやや違和感や不満がなくもありませんが,控え目な伏線が好もしく,派手ではないですが堅実な作品に仕上がっていると思います。オススメです。

 さてさて。こんなことを言うと「どういう読み方をしているんだね」といわれそうですが,どうしても書いておきたいこと。江夏豊ファンは必読です。江夏に関する記述がとてもいい。縦縞のユニフォームを着た若き江夏は素晴らしかった。のけぞるように振りかぶり,リズミカルに右足を上げ,ムチのように身体を使って左腕から剛球を投げ込んでくる。アウトローとインハイに。父と私の憧れの長嶋茂雄,尊敬する王貞治のバットも空を切る。悔しかった一方で,若き日の江夏の言葉を超えた身体の美・奇跡には圧倒されました。山際淳二が書いた「江夏の21球」も悪くないけれど,まさに当時の江夏投手には,“筆舌に尽くしがたい”美しさがありました。古い野球ファンならご存知ですよね。あの興奮が蘇る。さらに蛇足ですが,後に「タブチ君」と言われ笑いの対象になってしまった法政大学を出たばかりのルーキー・田淵幸一も格好よかったんですよ〜。昔は。背が高くてハンサムで強肩強打。江夏と黄金バッテリーを組んでいた時代が懐かしい。


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