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2006年5月28日 (日)

『ナリタブライアンを忘れない』橋本全弘(060528)

 この本も面白そうなタイトルに惹かれてBOOK-OFFで購入。私は競馬は全然わかりません。が,これまでに10回ぐらいは友達に便乗して馬券を買ってもらったことはあり,最初にいつだったかの春の天皇賞でテンポイントが勝ったとき2倍ぐらいの連勝馬券を換金したことがあります。というわけで,まさにビギナーズ・ラックだったのですが,その後は全部負けで出資する一方。もう5年ぐらいは買ってないかな? 子どもが小さいときの年末に有馬記念を連続して何回か買い,「これで勝ったら今夜は焼肉だ〜」と何度か盛り上がったのがいい思い出。これは“年中行事”にしたかった。いま,調べたら馬券はネットでも購入できるんですね。今年の有馬記念では試してみようかな…。今日はダービーだったんですね。1番人気のメイショウサムソンが来たようです。おめでとう!

■『ナリタブライアンを忘れない』(橋本全弘/KKベストセラーズ/本体:1,695円)

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 私は「競馬にのめりこむぐらいなら株を買う」という主義なんですが(現金がなく主義を全うできない),競馬好きの人の話を聞くのは大好きです。いつの何とかいうレースで何とかの子の何とかという馬がこんなふうに走った。で,その子の何とかは何とかいうレースで…と,話が果てしなく続きます。ジョッキーについても同様。話しているうちに話し手が泣いちゃったりすることもあります。つい私も,もらい泣きしそうになったりもして…。競馬ファンは熱い! というのが私の固定観念。この本も期待に違わない内容でした。そうですか。ナリタブライアンの最後の直線は凄かったですか。晩年は可哀想でしたねえ。と,ちょっとシンミリ。


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2006年5月25日 (木)

『連合艦隊の蹉跌』堺屋太一,江坂彰,長谷川慶太郎ほか(060525)

 例によって面白そうなタイトルに惹かれて,BOOK-OFFで購入。私はこの「蹉跌」という字が好きなようです。この字は,昔,ショーケンこと萩原健一さんが主演した『青春の蹉跌』(石川達三原作ですが読んでいません)という映画のポスターで知ったのだと思います。連合艦隊については三船敏郎さんが山本五十六を演じたことぐらいしか関連知識がありません(どうやら日本の映画でなく『ミッドウェイ』で観たらしい)。はは。

■『連合艦隊の蹉跌』(堺屋太一,江坂彰,長谷川慶太郎ほか/プレジデント社/本体:1,359円)

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 この本の副題は「今,改めて問われる日本型組織の限界」です。1987年第1刷発行。私の手元にあるのは1991年9月の第12刷。よく売れた本のようです。今,こんなに長い間売れる本は滅多にないんじゃないでしょうか。

 いろいろな方が連合艦隊の組織について語り,なぜ日本は負けたのか,なぜ連合艦隊は滅びたのかについて書かれています。バブル崩壊前の,日本経済が比較的好調だった時期にこんな本が出ていたんですねえ。今,読んでも納得できることが多いのは何故なんでしょう。私がどっぷりと,昔からある典型的日本型組織に浸かっているからでしょうか。

 堺屋太一さんは「組織保全意識が先行」「滅びの美学」,長谷川慶太郎さんは「高級将校らの不勉強」「近代戦への無理解」などを指摘されています。ダメになる組織は似ているんですね。組織の論理優先で,世界や市場の変化に対応できなくなり,最後は「滅びの美学」で,戦艦大和を特攻させて,潔く散ってしまう,と。ヤバ!

 ところで,現在のわが国の官僚の世界でも,いまだに「あの人は○年入省組」なんてことが言われています。そういえば。おとろしか〜。


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2006年5月23日 (火)

『経済学の正しい使用法』ロバート・J・バロー(060523)

 いかにも面白そうなタイトルに惹かれて,BOOK-OFFで購入。1997年に発行された本。著者は当時,ハーバード大学教授。

■『経済学の正しい使用法』(ロバート・J・バロー・著/仁平和夫・訳/日本経済新聞社/本体:1,600円)

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 経済学の教科書はあんまり面白くないですが,経済学者のものの考え方を書いたような本(本書もそのテの本)は,たいていわれわれの日常感覚とズレがあって,「なるほどね〜」と思わされることが多いです。これはもしかすると,経済学的勉強を日本人はほとんどしないということの成果なのかもしれませんが。経済の勉強というと「株取引」を模擬体験させるなんてことしか思いつかない経済学オンチな小学校・中学校もあるようですし(株も経済学の重要なテーマではありますが,子どもに教えるべき経済学はもっと基本的でシンプルなところをやってもらいたい)…。

 経済学が面白いのは,たとえば「分業はよいこと」なのでミンナで力を合わせて公平に分担を決めてやりましょう,と,「機械的に分担を割り振る」場合,その「分業が集団の最大利益を実現しない場合がある」と教えてくれるところ。経済学用語で「比較優位」ということなんですが,単純な話,力はあるが計算が苦手な人に会計係を,力はないが計算が得意な人に運搬係を頼んでどうなのよ,ということです。先人は「適材適所」と,簡潔に表現されてますが。

 また,「独占は悪いこと」なので独占禁止法があるのですけれども,一方で「独占禁止法が,独占期間を認めることの意義」も経済学は教えてくれます。またまた話は簡単で,たとえば独創的技術を使って,ある一定の期間「独占的利益」を上げることを容認しなかったら,独創的技術を追求する人は相当減るだろう,ということは容易に想像できるんですね。変な言い方になりますが「独占を認めるのはよいこと」でもあります。

 某会社のエライ方々が,こんな簡単なことだけでも小学校か中学校で学んでくれていれば,社員に一律で同じスペックのコンピュータを持たせることが「平等」なので「正しい」なんて思うようなことはなかったはずなんですけどねえ。「ネズミさんとゾウさんに同じ分量の食事を与えることが〈平等〉ってコトなんですか?」とわかりやすく言っても理解してもらえなかったりして…。

 さてさて。本書は上記のようなミクロの話ではなくて,主としてマクロ経済について「経済学的に考えるとこうなるよ」と,実証的根拠などを示しつつ(残念ながら私には理解不能なところも少なくなかったのですが)教えてくれます。いくつか結論を引っ張ってきますと…

 経済成長と民主主義を扱ったところでは…

 欧米の先進国が貧しい国の発展を助けたいと思うなら,政治体制を輸出するよりも,経済体制(財産の保護と自由市場の原理)を輸出するほうが有効である。多くの場合,政治体制というのは,国民の生活がある程度豊かにならなければ,安定しないものなのだ。貧しい国に経済の自由を根づかせることができれば,経済成長は加速し,その国はやがて,自らの手で民主化を進めていくことになる。(28ページ)

 民営化を扱ったところでは…

 地方自治体サービスの民営化を,より小さい政府(おそらくはより良い政府)と解釈すると,(中略)公務員への能力主義導入,政府購入基準の設定,公務員労組の力の抑制,政府の借入・支出能力の制限などは,いずれもよい考えである。短期借入を禁止し,債務に上限を設け,自治体の救済を認めないことなども,財政均衡を義務づけるより効果がありそうだ。(188ページ)

 面白いですねえ。民営化のほうで言うと,たとえば「公務員労組の力の抑制」についてどう考えましょう? また「自治体の救済を認めない」とすると,財政破綻した自治体の住民にはどうしろというのでしょう?(おそらくは「豊かな自治体に引っ越せばいいんだよ」というのが経済学からの答え) いずれも,素直に同意できない答えではありますが,でも「経済学的に考えるとこうなるよ」ということを知りつつ議論するのと,ただ感情論で議論するのでは,政治における答えにだいぶ差が出ることでしょう。ハーバード大学で客員准教授として教えたこともある,われらが竹中平蔵・総務大臣もこの結論は多分,ご存知でしょうねえ。
 あ〜,おもしろかった,と。おススメです。


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2006年5月14日 (日)

『博士の愛した数式』小川洋子(060514)

 この本が話題になったときから,ずっと“これは面白そうだ”と思っておりました。文庫になる前の初版が平成15年7月だそうですから,どうやら私は3年ぐらい記憶の片隅に留めていたようです。ツマがどういう気まぐれからか買ってきました(ツマは数学は嫌いなハズなのですが…)。このところ,『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(上・下)『ダ・ヴィンチ・コード』と読んできて,近頃のベストセラーをフォローしている気分。どれも売れるだけあって面白い。2004年読売文学賞,本屋大賞受賞作。

■『博士の愛した数式』(小川洋子/新潮文庫/本体:438円)

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 『ダ・ヴィンチ・コード』一気読みの勢いのまま,「寝たきりパワー」でこの本も一気読み。記憶が80分しか持たない老数学者と家政婦の母子の交流を描いた物語。上質の大人の小説という趣。「ルート」と呼ばれる子,「病」や「老い」に関する記述にやや違和感や不満がなくもありませんが,控え目な伏線が好もしく,派手ではないですが堅実な作品に仕上がっていると思います。オススメです。

 さてさて。こんなことを言うと「どういう読み方をしているんだね」といわれそうですが,どうしても書いておきたいこと。江夏豊ファンは必読です。江夏に関する記述がとてもいい。縦縞のユニフォームを着た若き江夏は素晴らしかった。のけぞるように振りかぶり,リズミカルに右足を上げ,ムチのように身体を使って左腕から剛球を投げ込んでくる。アウトローとインハイに。父と私の憧れの長嶋茂雄,尊敬する王貞治のバットも空を切る。悔しかった一方で,若き日の江夏の言葉を超えた身体の美・奇跡には圧倒されました。山際淳二が書いた「江夏の21球」も悪くないけれど,まさに当時の江夏投手には,“筆舌に尽くしがたい”美しさがありました。古い野球ファンならご存知ですよね。あの興奮が蘇る。さらに蛇足ですが,後に「タブチ君」と言われ笑いの対象になってしまった法政大学を出たばかりのルーキー・田淵幸一も格好よかったんですよ〜。昔は。背が高くてハンサムで強肩強打。江夏と黄金バッテリーを組んでいた時代が懐かしい。


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2006年5月13日 (土)

『ダ・ヴィンチ・コード』(上・中・下)ダン・ブラウン(060513)

 大学4年の娘が「映画を観る前に読んでおこうと思って…」と買ってきた本を借りて一気読み。

■『ダ・ヴィンチ・コード』(上・中・下)(ダン・ブラウン/角川文庫/定価:各580円)

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 なるほどね。こりゃ〜面白かった。興味深く読みました。まあ,文句なしでございます。ゴーギャンの絵の見方とか『人麻呂の暗号』とか,そういう話だけでも十分面白いのですが,ダ・ヴィンチの業績に関するそんな知見やキリスト教史を織り込みつつ(ヘルメスとか両性具有なんて言葉も出てきます。山口昌男先生の本で勉強しててよかったあ〜),サスペンスが進行していきます。新婚旅行でルーブル美術館に行ったことがありますが,ツマと「ぜ〜んぜん,雰囲気を思い出せないねえ〜」と話しました。20年以上も前の話。あのときは《モナ・リザ》はどこかに貸し出されていて不在でしたが,ダ・ヴィンチの他の作品,ミケランジェロ,ラファエルロ,ダビッド,アングル,ドラクロワ,ジェリコー,クールベ,コローなど堪能したのでした。

 それはともかく。映画的に同時間のシーンが並行するように描かれ,それが緊張感を高めます。長女が「一気読みしてしまった」と言っていたので私もそうなると思いましたが,予想どおりそうなりました。物語自体は「平板」と言ってもいいほど単純でわかりやすい構造です。なので,スイスイ読んでしまいます。もう十分売れているのでいまさらですが,オススメです。

 ちなみに帯にあるとおり,映画ではトム・ハンクスさんが主役なんですね。『グリーンマイル』とか『フォレスト・ガンプ』とか,本当にこの人は凄い役者です。アポロにも乗ったりしましたよねえ。この話のヒーローとしては,私はハリソン・フォードで観たかった気もしますが,どんなもんでしょうか。

  

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2006年5月12日 (金)

『その時歴史が動いた コミック版 幕末回天編』(060512)

 文庫でこういう漫画を読めるというのは,ありがたい。何やら我が国の文化の高さが感じられるようでもあります。

■『その時歴史が動いた コミック版 幕末回天編』(発行・オーム社/発売・集英社/本体876円)

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 ちょっとした気分転換に漫画などを読みたいとき,でも,面白くないのはヤだな〜というとき,こういう歴史物で少しでも勉強になる読み物というのはありがたいですね。漫画なので,内容が濃い物というのはなかなか期待しづらいところですが,印象には残りやすい。私は榎本武揚さんのところが面白かった。私の好きな土方クンが出てくるので,それも加点されるのですが。それと,私は近頃ますます額が広くなってきて,頭部との境界が切り上がってきているのですが,天下の大デコスケ・大村益二郎さんの絵には救われる思いがいたしましたでございます。この次入院することがあったら,こういう本もたくさん読みたいと思います。漫画は目が疲れないのもいいですね。オススメです。


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2006年5月 5日 (金)

『海鳴りの底から』(上・下)堀田善衛(060505)

 文庫で,上巻約400ページ,下巻約350ページという長編。島原の乱を題材にした小説。1960年〜61年の“安保の時代”に『朝日ジャーナル』に連載されたもの。

■『海鳴りの底から』(上・下)(堀田善衛/朝日文庫/定価=上:770円,下:710円)

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 遠藤周作先生の小説などを読んで10代の頃から興味のある,キリシタン関連の小説。遠藤周作先生の,たとえば『沈黙』では,どうしようもない男・キチジローの“魂の救済”が大きなテーマになっておりましたが,この小説には,そうした“個”を超えたテーマがベースにあるように思います。毎度不勉強で情けないですが,あの時代にこの小説を,堀田さんはどういうおつもりで書かれたのでしょう。しかも文芸誌でなく『朝日ジャーナル』に。結末のわかっている歴史物語を。

 この物語を読みながら,ジョン・ロックの「抵抗権」,イェーリングの「権利のための闘争」などといったキーワードが何度も頭に浮かびました(ただし,島原の乱は,ロックやイェーリングより前の時代の出来事)。

 「人には生まれながらに幸せになる権利がある」といった天賦人権説的“題目”を,ほぼ無批判に信じられるようになる前には(独裁的為政者を対象とした)「権利のための闘争」が必要であったし,現在も権利は不断の努力で守って行かなくてはならないものだと思います。ただし,「万人の万人に対する戦闘状態」(ホッブズ)ですとか「男は表に出れば7人の敵がいる」といったことも世の“常態”であって,たとえば国会に見るような闘争が繰り広げられ,そこで得られる結論やそこで決められた制度が多くの一般人に支持されるかどうかは定かでないのは当然です。それでも日本では,ここまでの制度ができ,「ほんとか〜?」という思いを禁じ得ませんが,大衆の支持する政党が政権を担い,国政を運営してきていることは,誇っていいことだと考えます。内閣機能の強化=大統領制・独裁への接近と思っている私としては,現状が望ましい方向への歩みなのか,判断しかねてはおりますが。一方では決断のスピードを早くすることも大事だとも思ってまして…。

 この5月1日には,その大統領制を採用している全米で100万人以上が「不法移民の合法化」を訴えたデモに参加したとのこと(正義ってムズカシイノダとこれを題材に子供たちと話し合いたい)。また,フランスでも昨年,移民問題に関連して大きな暴動があり,非常事態宣言が発令され,各地で夜間外出禁止令も出されたとか。デモや暴動の是非は置いておくとして,人民次第で政治的圧力を時の権力者に与えることは可能ではあるんですよね。やはり。

 さて,小説としての面白さですが,小説の間に「プロムナード」という小エッセイが挟み込まれてまして,作者によればムソルグスキーの「展覧会の絵」をイメージしたそうですが,それは成功していると思います。この物語の主人公は殉教の“熱狂”に溶け込めない絵師・山田右衛門作(えもさく)。この小説にはいろいろなテーマが潜んでいるようですが,私が特に印象深かったのはキリシタンが喜んで死んでいくこと,拷問もできれば,より過酷なものを望んだことがさらりと書かれた部分。殉教者にはまったく失礼な例えで恐縮ですが,彼らは「シラフなつもりのヨッパライ」状態だったと考えることは,的はずれではないように思います。端から見れば,信仰も信念なんてものも,そんなものなのでしょう。でもそれらがなければ,変革はないんですね。大きな過ちもないでしょうが。踊るアホウと見るアホウのどっちになるか,重大な局面で,われわれは揺れます。山田右衛門作のように。この辺が深〜く描かれています。

 またキリシタンの側だけでなく,一人で突撃して“犬死”した板倉重昌のあり様なども,様々なしがらみが丁寧に描かれていて納得できます(トノもツラい!)。そんな記述を読みながら「これって特攻隊?」,農民軍は天草四郎を神と仰ぎ一丸となっていたこと=「みんな天皇の子だった戦中の日本?」などいろいろなことを考えました。その他,日本では外国から入ってきた宗教を自分たちの都合のよいように変形して土着させてしまう,なんてことも描き込まれています(同感。ですが,宣教師のほうもワザと既存の仏教の概念を利用したと私は思っています)。重〜い小説ですが,オススメです。

 ちなみに,これは娘の大学の経営学の先生の推薦図書でした。先生はどういうおつもりでこの小説を学生にオススメになったのでしょうか? まあ,学生がどう読むにせよ,何がしかの栄養になることは間違いない作品ですが。先生がこの小説についてどんな感想をお持ちなのか,ちょっと知りたい。


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2006年5月 4日 (木)

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(上・下)J.K.ローリング/松岡佑子訳(060504)

 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2002.11.3)を読んでから,3年半も経ってたんですね〜。「読みたいな〜」とぼお〜っとしてたら,購入後約2年も読まずにいたようです。時の経つのは早いな〜。

■『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(上・下)(J.K.ローリング/松岡佑子訳/静山社/本体〈上下巻セット〉4,000円)

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 もう何だかすっかりハマッてしまって,読まないと気がすまないという感じ。これやっぱり,この物語が面白いということなんでしょうかねえ。確かに面白いとは思うのですが,のめり込んで読むほどのものなのかな〜という感じです(もう多くの人が読んでいるのでいいかなと思いますが,ロンがキーパーやってそうなるって,ちょっとなあ〜)。不思議だ。慣性の法則なんでしょうか? ダンブルドア先生はじめ,登場人物のキャラクターがしっかり立っているので,感情移入しやすいのでしょうか? ダンブルドア先生は尊敬してしまいますし,ファッジ,マルフォイ父子なんて絶対嫌いですものねえ。

 5/17(水)発売の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』はすぐ読めるかな〜? 長女,長男,ツマが速攻で読んでくれるとよいのですが…。


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2006年5月 3日 (水)

『アルファブロガー』FPN(060503)

 会社でブログを始めるにあたり,私にあまりにも知識がないため,心配した後輩が貸してくれた本その3。ありがたいことです。

■『アルファブロガー』(FPN/翔泳社/本体1,500円)

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 この本は,FPN(Future Planning Network)と徳力基彦,渡辺聡,佐藤匡彦,上原仁の各氏が著者。ちょっとややこしいのですが,FPNというグループ(前記の4氏含む)で,「スゴいウェブログを書いているスゴいブロガー」(=アルファブロガー)にインタビューしたものをまとめたもの。

 インタビューをするほうもされるほうも「その道のプロ」という感じで,「今さら(この10年,寝てたもんな〜)の駆出しシニア」には,話題に着いていくのが結構大変でした。でも,ま,「継続」とか「なんでもあり」とか「無理をしない」とか,そんなところで理解させていただきました。それにつけても,先端にいる人たちは面白いし,生き生きしてますね〜。やっぱり。読んでると元気が出てきます。なので,読み物としても面白いです。オススメです

「『閉じたコミュニケーション』の可能性」(情報考学/橋本大也氏)なんて着眼は鋭いと思いますし,「2ちゃんねるはインフラになった」(切込隊長BLOG/山本一郎氏)なんてのは名言でございます。

■どっと覚書〔今後参考にしたいブログ〕:ネタフル/百式/極東ブログ/Ad Innovator/R30/isologue/On Off and Beyond/ワーキングマザースタイル/NDO::Weblog

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2006年5月 1日 (月)

『テレビは政治を動かすか』草野厚(060501)

 『歴代首相の経済政策 全データ』(2005.2.13)以来,久しぶりに草野厚先生のご著書を拝読。

■『テレビは政治を動かすか』(草野厚/NTT出版/本体1,600円)

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 2001年4月26日は小泉内閣発足の日。あれから5年(なんて言いつつも,その“あれ”はもうほぼ忘却の彼方)。田中真紀子さんと全国を回った図はもう歴史上の画像という感じ。「自民党をぶっ壊す」と言っていた小泉さんは本当に,政争の節目ごとにしぶとく勝って,野中広務・橋本龍太郎さんを引退に追い込み,先の総選挙では,綿貫民輔,堀内光雄,平沼赳夫,亀井静香各氏を追い出した上に圧勝してみせてくれました。いやはやご立派。田中真紀子さんに応援してもらっていたときとは大違いで,今や“大宰相”でございます。経済の歴史ならこんなものかと思わぬでもありませんが,政治の歴史もぼ〜っとしてるうちに,目の前で何とな〜く築かれていくものなんですね〜。普天間基地移転の話だって,1960年には安保闘争だったんじゃないっけ? という感じ。

 さてさて。この本の帯には<小泉劇場の裏を読む>とあります。どうも私はコレが気に入りませんが。裏というより草野先生はマトモに読んでます。弱小森派の小泉首相は,まさに有権者に支えられた宰相であり,その支持を獲得するのにテレビというメディアを,確かに上手に使ったし,テレビ向きのキャラクターでもある,と様々なデータや事例を挙げながら検証されています。これは今後の政治家さんにとっては,必須の学習事項でありますねえ。

 この本でいろいろな検証をされている中で,一般のわれわれに(読み物としてでなく)参考になるのは,テレビを中心としたメディアの特性(絵にならないニュースはテレビで取り上げられにくいなど)・功罪について述べたうえで,今後ますます強大化するであろうインターネットも念頭に置いて,メディアリテラシー(視聴者側の能力)を高めようとおっしゃっているところ。ごもっともであります。近頃は大新聞の記事のレベルも落ちている気がしますし,テレビのワイドショーなんて見る気がしない,ネット上はもちろん玉石混淆ですものね〜。全部真に受けてたらトンデモナイことになります。ちなみに情報化が進んで,何を信じていいかわからなくなるってのも面白いですね〜。デュルケームのいう「アノミー」の匂いがいたします。

 この本では,たとえば,昨年9月の総選挙につき,あまり他の方が指摘していないと思われる,小選挙区の弱点(地元の現職候補優先)を転じて,いわゆる刺客候補を立てて,議員の世代交代を進め,さらにはこれまでの地元密着型政治家の選出といった自民党の伝統にも風穴を空けたなど,政治学者らしい分析・知見もいろいろなところで掲載されており,これもまた興味深く読めます。私は巻末の「『真紀子神話』はどうつくられたのか」という資料も非常に面白く読ませていただきました。オススメです。



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